[ その男がどこまで見たのかはわからない。 騒ぎを聞きつけた上官の中には 「噂話に踊らされるのではない」と 叱咤するものも居ただろう。 だが、上官も、結局は軍人であり、 軍はフェリクス王子を支持するものが多数である その踊らされて、吹聴する軍人を、 本気で咎めよう、という者は居なかった。 その為彼や、彼率いる軍の下層部が アイリ総督の居る兵舎へ向かい、 結果的に800もの軍勢が 王宮へと向かうことになったのだ。 ]