……
ぶち破って踏み越えてくだけのモンに過ぎんのだから、な!
[無茶が通れば、道理は潰れる。
それが、己が率いる隊の不文律。
実際、そんな無茶は幾度となくやらかしている……というのはまあ、一部にはよく知られているだろう。
もっとも、そんな記憶もやや曖昧なのは変わらぬのだが]
[一つ、息を吐いて走り出す。
未だ無手のまま、低い姿勢での早駆け疾走。
時に大きく距離を取り、そうかと思うと一気に詰めて、また離れる。
円軌道を基準とした不規則機動で駆けながら。
暴風が探るは、一気に天へと駆けるべき、刹那。**]