ちったぁ腕のある奴がいたか。[面倒な、と表情が語る。だが既に包囲網は破られており、男の背後はがら空きだった。横から取り押さえに来た団員らの足を払い、よろめいたところに顎目掛けて拳を振り下ろして。その隙に近付いてきた者には肘で鳩尾を打ち抜いてやった。地面へ転がる団員達が増えていく。先程魔法を放ってきた団員が、魔法で荊の蔓を伸ばし男を拘束しようとするのが見えて。そこで初めて赤く波打つ剣を引き抜いた。後方へと下がりながら、伸びる蔓を斬り払う]