― 訓練所へ向かう道すがら ―
あ、フィオン殿……。
先ほどのサシャ殿のことは勘違い、…で?
[ 昼食の後、サシャがいるかもしれないと訓練所に向かう道すがら偶然ばったりとフィオンに出会う。
余りに無理があるだろうが、なんとかサシャがいなかった事を誤魔化そうと口を開くが、先ほどとはどこか違う緊張した面持ちのフィオンから逆に何かの包みとメモ、そして紹介状を強引に押し付けられてしまう。 ]
こ、これは……?
[ 思わず聞き返すが、メモはここで開けるなときつく注意を受ける。
有無を言わせぬその表情に戸惑いつつも頷くことしかできなかった。
そして挨拶もそこそこに早歩きでフィオンは去っていくだろう。
カシムは茫然とそれを見送りつつも慌ててブツをしまう。
左右を確認したあと予定を変更して自室に向かうことにした。* ]