人狼物語−薔薇の下国

208 守護天使は暗闘する


天使を騙る者 シメオン

――収容所――

[収容所に囚われた者達が、穏やかな挨拶を交わした直後。

クスクスと、密やかな笑い声が響き渡る。

どこからともなく反響するようなそれは、やがて通路の中程で闇が凝り、黒いローブの形を成すにつれて、実体を帯びた肉声に変じた。
数秒の間をおいて、収容所の通路にその姿を結ぶのは、天使めいた容貌の、けれど異質な空気を放つ者]

貴方に妹がいたとは初耳です。
……お久しぶりですね、まさかこのようなところで見えようとは、思いもしませんでした。

[フェリクスに視線を据えながら紡ぐ言葉には、意地悪い揶揄の色が潜む。
双眸を細めて、喜悦混じりの笑みを零した]

(73) 2014/06/22(Sun) 09:47:08

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