すいません、起きてますか!ブリザードが近づいてるみたいなんです。早く避難をして下さい![幾つかの扉を叩いて訴えたが、反応は殆どなかった。昨日の昼間に訪れた老人の家を叩いたが、それも同じ。]――…ッ。[寒さで唇が戦慄く。――このまま外に居たら自分まで凍死してしまう。そんな不安が胸を過る。男は数瞬の後にもう避難したものと判断し、避難所の方へと向かう。懐中電灯で照らしながら歩く視界は悪い。蛍光ブルーのジャンパー姿は道行く人に見えたかどうか分からない。]