シスター。
少し、薪を持ってきますね。
[留守を守るフリーデルに声をかけ、予備の上着を羽織り、エルナに渡された赤紫がかった色のマフラーを首に巻く。首だけでなく口元を覆うにも充分なボリュームがあり、初めて編んだ時のそれに比べて、随分とうまくなったものだと思う。
初めのころは、それはそれは編み目も不ぞろいで、所々引き攣っていたりもしたものだけれど。
……このマフラーも、村のみんなの服も、補修やボタン付けも、彼女が針を取るのはいつも、『誰かの為』だ。
だからたまには自分の服を飾り付けてみるのもいいのではないかと、遠まわしの提案に対する問いかけには>>27快く了承した]