[しかも学び舎は無様に、ベリアンを逃してしまう。
こんな不甲斐ない組織に娘を預けていたのかと後悔するが、もう遅い。
シェットラントが事件の痕跡を追う>>56傍らで、
魔女も独自にベリアンを辿り、何が起こったのかを手繰ろうとした]
……、逃がさないぃ。
[左の人差し指の腹を、何の躊躇いもなく噛み切る。
痛覚と鮮血が最初に溢れ、淡く光る粒子のような代物が後に続く。
――…これは、魔女が紡いできた生の欠片、そのものだ。
魔女の血は二次触媒であり、
本来の触媒たる彼女の人生――紡いできた時の流れを導く効果を持つ]