操縦士、目指したいな、って。 だってほら、俺、船にそんなに強くないし。 空の方があうかなー、って。[冗談めかした口調で告げた時には、まだ、髪は長かった。切るのを嫌がって伸ばし続けていたそれは、腰に至るまでになっていたけれど。士官学校への入学を機に、それはばっさりと切り落とした。『見えない過去なんて、振り返ってなんかやらない』。そんな、密やかな決意を込めて。**]