[最後の声は、細く。殆ど音にならない声は届いたか。痛いほどに強く。両肩掴んでいた指先から、緩々と力は抜けて行き。]…─── 約束を、[誓った約束、彼女は覚えているだろうか。数日前にも繰り返した>>2:165、それは今となっては空しいばかりのものだれど。] 君を守ると言った約束を、 ……もう、果たすことは出来ないけど。[言いながら、ウェルシュはある物を懐から取り出した。それは銀のイトスギの枝葉の繊細な装飾品、今は行方知れずの古い友の忘れ形見で。]