[私は今、新しい道へと進み始めていた。
アイリ、私の大切な恋人――。
性別なんて関係ない。愛の種類などこの2人にはないのだ。お互い想い合っていると解かり合っている、それだけで幸せに満たされていた。矢が撃たれる前からこうなる運命だったのだと、私自身、感知していた。いや、期待していた。
(この子なら今の私を解放してくれる――)と。]
(試練に参加できて良かったわ。友人への罪の意識がなかったら、ここへは来なかっただろうし、ある意味彼に感謝ね。)
[色々思い出しつつアイリと手を繋いだまま、久しぶりの空を見た。暗闇の空に、星が2つだけ輝いていた。]
[あれは何を意味する輝きなのだろう?私にとってはこの子との輝きに見えた。きっとどちらかの輝きが消える時はもう一つも一緒に消えるのだろうなと思ったら、「ふふっ」と声を漏らしていた。アイリは不思議そうに「どうしたの?」と尋ねてくる]
ねぇ、ラビ。あの2つ星、どう思う?
[私にはまだ星を見続ける希望があった。この子には伝えたいことが多々ある。村の様子も気になるけど、今はアイリと一緒にいられるだけで満足だった]