[こうなってしまえば頼りになるのは音ばかり。
視力に頼っていた感覚を全て耳へと集中させ、オズワルドはロヴィンの音を捉えようとした。
その間にもロヴィンは再び換装し、オズワルドへと攻撃を繰り出してくる。
彼が発する僅かな音、それを頼りに身体を左右に揺らし、致命傷を避けて。
音を拾うことに慣れてくると、三日月斧を両手で握り、いくつかの斬り付けを弾き返すようになった]
─── 見えたぜ。
[音により浮かび上がるロヴィンの動き。
脳裏に動きをトレースすれば、位置や狙いなどもだんだんと見えてくる。
口端を持ち上げると、オズワルドは次々と斬撃を繰り出し、ロヴィンに休む暇を与えなかった。
それを繰り返し、相手の上体が開いたと知るや遠慮なく胴に真一文字を叩き込む]