[クララはカイの腕を手に取る。追伸に記されているように其処には焼き印があった。この部分を剥ぎ取って賞金首事務所に持って行けば賞金が出ると言う。
何もが今更だった、クララの目が手術で治る見込みがあったのは7年前の話しだ。今では目の病気も悪化して話しが違う。この期に及んで 手術を受けたとしても目が見えるようにはならない。ただ、辛うじて光は見失わなくて済むかもしれない。
男の胸に刺さったナイフを抜けば、クララはカイの左腕を――。
再び、カイを傷付けることはなかった。
代わりにぎゅっと左腕を抱きしめて暫くそのままでいた。]