― 数日後 ―
[数日間、ジムゾンのどこか怯えた視線と、それに混じる期待のような眼差しに戸惑いつつ。
ジムゾンの怯えを優先して、自分からは彼に接触するのは我慢して過ごした。
村を訪れた結社員から、村には人狼がいないことを伝えられ。
元通りの平和と安心と退屈な日常が帰ってきた日。
人気のない場所まで連れ立って、切り出したジムゾンの言葉にやっと納得する。]
謝ることねーよ。
自分以外の誰が"人狼"か、わからねぇんだから…。
["人間だったのですね" そう言ったジムゾンの表情は、嬉しさではなく。なぜか、ひどく残念そうに見えた。
理解できずに少しだけ困惑に眉をしかめるが。
誰だってそんなもんだろ と付け加えて。
やっと触れて良い安心感からジムゾンの肩に手を伸ばしかけるが、その手も途中で止まる。]