あれは間違いなく人狼の仕業だ。俺は戦場で人狼に襲われた人間を見たことがある。そのときの遺体と似た状況だった。[ゲルトから人狼の噂を聞いたとき、無下に否定しなかったのは、明確な騒動という形ではないにしろ、自分なりに人狼に関わったことがあるためだった。それが周囲にどのような衝撃を与えるか理解しているから、今まで誰にも喋ったことはない。談話室にいる人々がどのような反応をするか、見極めるように鋭い視線を向ける。]