……っ、……――かは、……、っ……ぐ、…
[咽喉の奥が焼ける様な、酷い乾きを唐突に覚え、思わず咽喉を抑えて、咽ぶ。
急激な身体の変化に驚いた胃がひっくり返って、堪える間もなくせり上がる侭に、無様に床に葡萄色交じりの胃液を撒き散らした。
ぜぇぜぇ喧しい呼吸の音を聞きながら幾つも疑問符を浮かべる。自分の身に何が起こったのか頭が上手くついて行かない。
不意に、掃除を指示されているドールが、一歩、距離を詰めた。上げた視線に映る、ドールの細い、首筋…
……――気が付いた時には、その腕を乱暴に引き、バランスを崩し倒れ込む身体を腰掻き抱いて傍のベッドの上に縫い止め、首筋に鋭い牙で噛み付いて居た。
けれど、作り物の人形に、この身が欲するものを満たす事は出来ず、肉を裂く為の形で無い牙で、欲望と満たされぬ苛立ちの侭に噛み付いた形に引き千切り――……]
――そして、現在へ戻る――