[「――あのね、ママ…、学び舎を卒業したら騎士団に行きたい!」
娘の就職希望を聞いたのは、“あの日”の数日前だった。
なかなか志望理由を言わないキアラを、なんとかつついて白状させた。
半ば予想はついていたけれど、こういうのは本人の口から訊くのが楽しいのだ。
母と娘のコミュニケーションというやつである。
「…あ、えと。その、 誘われた、の」
顔を真っ赤にした受け答えに、思わずふき出したら
ぐーで殴られた。痛かった。
………そんな、未来の希望に満ちていた娘は、
物言わぬ”屍骸”となって発見された>>0:183]