[美しく咲き誇る薔薇を視界へ招き、ぼんやりと眺めること数刻。 天鵞絨のような艶かしい花弁を持ち甘い香を漂わせる薔薇たち、けれどそれに触れれば棘に刺されて怪我をするのだ。薔薇を蒐集しようとするものも、恐らくは――そこまでをぼんやりと考えたその時、背後に人影を感じて振り返り] ――ソマーリュ。 今日は王子の同行では無いからな。