― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―[ノトカーの様子を受けてか、思わず吹き出した姫>>68に密やかな注目が集まったのは致し方ないことだった。 王族の屈託ない笑顔を見られるなど、早々あることではない。 とはいえ貴人の前で動揺しないのも仕事の内、とばかりに各々の作業へ意識が向け直され][そして、アデルの視線は名乗りを上げたこちらへ向けられる>>70] はっ――はい![短い言葉ではあるが、そこには自身や一族への信頼が感じられた。 高揚を胸に秘めつつ、アデルへ向け敬礼を返した*]