― 精霊師として ―
[人見知りの妹の付き添い。という形で入学をしたバルタザールであるが、新設された精霊師学科に通っている特定の精霊と盟約してその力を使うタイプの精霊師である。
ただそこは辺境の地ならでは、ともいうべき精霊だったというべきだろう。
世界最古といわれる言語を必要として扱える精霊なのだ。
術を使うとき彼は詠唱を必要としない。集中も多少は必要としても他よりも多くないだろう。
必要なのは鍛え上げられた体であり、修められた武術であり、唸る拳が振るわれる武具が、山を駆ける強靭な脚こそ精霊術を発動させるキーなのである。
人が声というものを覚えるよりも昔から存在した最古の言語《にくたいげんご》こそが術に繋がるのだ。
――――なんてちょっとばかり変わった術のせいで、色々悩ましいこと教師なんかはなったかもしれない*]