― 士官学校東寮? ―
少なくとも、僕はフレデリカに迷惑をかけられたり、
大変なことは起こされた記憶がないから…大丈夫。
………ありがとう。
[――わかっている。悪くないはずはない。
自分を殺した原因になる相手なのに…許す言葉を与えてくれる。
悔いはなかったのだろうか。
心残りなことはなかったのだろうか。
自分の様に、全てを喪ってここに来たとも思えない。
フレデリカの顔を見て…ふと、言葉の違いに気づく。
彼女の兄代わりとして常に共に居たが、「ヴィンにーちゃん」という呼ばれ方をした記憶はなかった。
よく考えると、彼女は6年の年を経ているはずなのに、受け答えは当時より幼い印象。]