─ Nルーム ─
[ 繭の中で多くの死者達が眠る静謐の地。
少し前まで来るだけで頭が眩みそうだったのに
今はそこそこに平静を保てている。
慣れてしまった現実の無常さと、罅割れた心が
徐々に性能を果たさなくなった悲しい現実。
思えばノーラのレストランに行った時は、
花を買いに行く途中だった。
手を滑らせたのか彼の近くに割れた皿があって、
その時に誰かとすれ違ったような……?>>4:408]
あの後のことはよく覚えていない。
魂を手繰り寄せ、耳を傾けることで必死だったから。
僕はもう人寄りとは言えないのかもしれない。
──わかっているさ、そんなこと。]