[それでも、定められた道を外れることは出来なかった。
本人が抗っているつもりでも、
"マクワイア"という家に依存していることには変わりがなく。
幾ら反抗的な態度を取ってはいても、やがて、軍属という形で
ダーフィトに嵌められた首輪には鍵がかけられた。
誰が家督を継ぐのか。
課された命題は鎖となり、首輪をマクワイアという家名に繋ぐ。
不名誉は許されない。…赦されない。
己の心に深く根付いた思考は払拭し難く、
ダーフィト自身の思考との軋轢を招いた。
――…それが劇的に変わったのは、
妹が生まれたという報せを受けてからのことだ。]