[初めてこの地に舞い降りたのは、遠い昔、未だ少年の頃。ここがテンガの禁忌の地であるのは知っていたけれど、どうしても来たい、と思っていた。己の槍が元々この地で見つかった物だから、という逸話を聞かされていたから。どんな場所だったのか見てみたい──そんな好奇心によるもの。公の立場では踏み込めぬ場所だけれど、今ならば、なんて考えもあったのは否めない。ともあれ、霧に紛れて舞い降りた先で待っていたのは──『先代』と称する人物で]