― 魔軍出撃の日 ―
[ 斥候から、魔軍本隊が動いたとの報せが早馬によって届けられたのは日暮れ時 ]
よし、いいか、俺達が戻るまで、必ず持ちこたえろよ。
[ 男と、アイリは、約束通り鉄底族の陣まで急がねばならない。必然、陣営の護りは、残る将たちに託されることになる ]
安心しろ、今度は、急いで戻る。
[ 出掛けるのは、アイリと二人だけだ。もちろん周囲からは泣きの涙で止められたが ]
護衛ならアイリ1人で充分。むしろ、ぞろぞろ着いて来られたら足手纏いだ。
[ そうだろ?と、アイリに水を向ければ否定は返らなかっただろう ]