[やがて次々に談話室のメンバーに視線を移動させたディーターは、自分にそれを止める。
クララに優遇されていたと聞いても顔色ひとつ変えずに。]
そりゃ、クララさんは僕のお店の常連さんだったからね。
[ディーターが考えもしない言葉をしれっと口にした。
だが騙されたとの言葉には、右手を天井に向けてため息をついてみせる。]
騙された?何が。大体僕がディーターさんに信じてもらえるように、親切に振舞う理由があるとでも?僕が人質に取られたとき、食われてもいいって思ってた癖に。
[銃を突きつけられても、あくまでふてぶてしい年下の生意気なガキの演技を続けた。]