― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
[サァと風が吹きぬけ、互いの姿が晒される。>>64]
風刃の騎竜師。
ば、馬鹿にしないで下さい!
この間は、その。ちょっと。
……都合が悪かっただけです!
[手に汗をかいているだなんて、分かるはずが無い。
見えるのはその唇を歪ませた笑顔だけ。挑発的な物言いにカッとなって返す。
回答内容は何ともお粗末なものにしかならなかったけれど]
子供のお使いじゃありません。
勝負を挑まれたのなら、細氷の騎竜師キアラ=メモリア。
受けて立ちます!
[リィラ、とトルメンタが嗜めるのは一瞬遅く。その声と被るようにして、宣言してしまった。
シャラリと鎖の音を微かに鳴らして曲刀の先を白竜に向ける]