ー続・抗う者ー
[ベッドの下へ忍ばせた包みのメモには
顛末の報告と、持参した者への狼化病の検査。
『僕と同じように治療を施し』
治験のサンプルにして欲しいという嘆願を書いた。
カスパル少尉は名が本部にも知れているはずだ。
こんな書き方をしてもモルモットにはされるまい。
カシムに渡す予定の包みには、真実を伝えた
勇気ある者が報われてほしい旨のメモを入れた。
レコーダーの内容と、駐屯地の顛末によって…
一人の娘の名誉が救われるだろう。
推薦状はおまけだ。]
…まあ、取り越し苦労で済めばいいんだけどね…。
[ディレイ少尉との話が穏便に纏まれば、使わなくて済む保険、である。
穏便に済む気は微塵もしていなかったが]