― スラム街・屋根の上 ―……ん。[警戒に屋根の上を駆けていた足が幾度目か、止まる。そう遠くない所に、他者の気配を感じたのだが]なーんか、やな感じ?[みょうにざわっとするようなそんな感覚は、大抵は相性のよろしくない相手がいる時のもの]まーさか、あのおっさんいるんじゃねーだろーなー。[ぽつ、と零れた呟きは、ちょっとだけ嫌そうな響きを帯びていた]