[オズワルドに近づく、ドロシーの気配があった。それを切掛に少しばかり距離を取る。
ドロシーの様子はあまりに静かで、どことなく常と印象を異にしていたけれど、深く気にかける余裕はなかった]
……何か、手がかり。
[それはバグを駆除するための、だろうか]
そういえば放送では、「速やかに発見・処置するように」と言っていたね。
もしかして、これで終わりではない……ということなんだろうか。
[これとは、アデルとアイリの死亡を指す。
外に出ていた第二司書官たちも集めたということは、その中にもバグに感染した可能性のある者が居るということだろうか?
様々な推測が浮かんでは消えて、焦りばかりが募る。
そんな中、発せられたテオドールの声にはっと息を呑んだ。
「何者かに殺されている。
まさしくこの中の誰かに。」]