[当然びくともしない扉。今度は両腕をつっかえ棒のようにピンと伸ばして押す。思ったより勢い良く、ばこんと音をたてて開扉はいた。その音にすら、びくりと肩をすくめた。] いい匂い……[すんすんと鼻を動かす。いつもよりぼやけてはいるけれど、美味しそうな肉の香り。もう香辛料にもだいぶ慣れた。お腹が空いていることに気づく。テーブルのひとつに近づいた。……背が届かない。]