― 街中・広場 ―うん?[歌に聞き惚れている耳に囁くように掛けられた声>>57それにきょとりと振り返り、視線が合えば青年の顔にはバツの悪そうな表情が自然と浮かんだ。]あれ、ローレル。はは……君も歌を聞きに来たの?[馴染みの顔に、知らず眉が下がる。以前より王宮に出入りする馴染みの画家は、同い年といい付き合いの長さといい、友にも近しいような気安さがある。…その分、容赦ないともいえるのだけれど。]