……ねぇ。 ここ…………どこ?[掠れた声で問いかけた直後に、酷い眩暈を感じて。ふらつきながら、差し出された手に向けて、手を伸ばしていた。いろんなものが、いろんな大事なものが、どこかに零れていくような、そんな感じがして、怖くて。その怖さから逃げるように目を閉じて。もう一度、目を開けた時には──あかい色に飲まれるより前の事は、ほとんど見えなくなっていた]