――なんつーか、オレも「柄じゃない」とか言ってないで、士官学校に行って本格的に上を目指そうかなって気になりました。
その、命の恩人の下で尽力するってのも、悪くないんじゃないかっていう気がしてきまして。
[彼は、これからどんどん出世するだろう。
あるいはいずれ、将として一軍を率いる立場になるのかもしれない。
その彼の下にいようと思ったら、自分も「兵士の一番上」の今の地位で満足していてはダメだ。
彼と同じ、将校の世界に飛び込まないといけないことだろう]
あとまぁ、近いうちに何かと入り用になる気もしますんで。
昇給を望めるならしたいってのもあります。
――うるさいですね、あんたもさっさと相手を見付けたらいいじゃないですか、中尉殿。
[上司のからかいの言葉を受けて、照れるようにそっぽを向いた]*