――グラウンド――[外へ出れば、頭上高くに輝く月は、いっそうその存在感を増した気がした。地上へと注ぐ月光に導かれるよう、足は自然とグランドの中央へと。校舎の方向を振り返るのは、目的地にたどり着いてからだ]……さて、それではカスパル達を待つとしましょうか。[イェンスへとそう声を掛けて、自身のヴァイオリンに視線を移す。魔女の武器には必要なさそうだと思うけれど、弦の張り具合やら駒の位置やらを何とはなしに確認した。習慣でもあるし、そうしている方が気分が落ち着くという事もある]