(/*心理描写、1人視点にします)
――試練終了直後・拉致場所――
[拉致された部屋の扉が開かれる。試練は終わったというのだろうか。
私は恋人のアイリの様子を伺った。扉が開いたことは喜ばしいことだが、何故開いたのかわからない。試練が良い方向へ終わるなら、まだ早すぎるのではないか。そんな不安が伝わってきた。
私は安心させるように微笑んで「行きましょう」と手を差し伸べた。アイリは私の手を取りつつ、口元が少し緩んで、それを見た私もようやく、少しだけ安心した。]
[私の夢は叶わなかった。私の夢は行方不明になっていた友人に会って一言伝えたかった。「私はあなたと出会えて良かった」とそれだけ。彼は友人でもあり血の関係では家族だったのだ。(/*セルフ突っ込みするとドロドロドラマの見過ぎである)
家族でなかったら彼との関係が明確化される前に、私は彼と幸せになっていただろう。
拉致場所に彼はいなかった。拉致されたみんなにも聞いたが知る者はいなかった。やはり、時期的に遅すぎたのかもしれない。]