そして何より冗談みたいに哀れで滑稽なのは。
俺達の様な悪魔しかいない、閉ざされた庭でひとり何も知らずにいる、あの箱入りの様な坊ちゃんだ。
神は嘆かれておられるぞ?
真実に気付いたとて、これまで築き上げた世界をその手で跡形なく砕くハメになり。
真実に気付かなければ、自分を取り巻く何もかもに裏切られた絶望の中、人狼に喰い殺される。
どっちに転んでも壊れそうなオチが良いトコだろうあの哀れなる若者の不幸を。
神は嘆かれておられると思うぞ?
[親兄弟、親友恋人が実は人狼である、と云う絶望の中で最期まで生き残ってしまう村人と云うのは、案外良くある光景だ。
中には強く上を向き生き抜ける、精神状態の強い村人も存在するが。
中には絶望に耐え切れず、その後の余生を廃人状態で過ごす様な者も勿論いる。
さて、もしこの惨劇を打ち砕けたとしても、彼はどの様になるだろうか]