― 闇の奥 ―[失神していたのはそれほど長い時間ではなかったのだろう。目を覚ましたそこは、真なる闇に包まれた場所だった。光は無く風の流れも無い。一応床はあれど、踏み鳴らした音が跳ねかえってくる気配もない。まるで様子のわからない場所に一人で投げ出され、暫く途方に暮れた。]