「今、学問も齧らせて貰っているんですけど、
身体を鈍らせたくもなくて。
ダーフィトさん、きっと強いんですよね。
どうしたら強くなれますか」
[州都に暮らし、何不自由ない暮らしが保障されていながら何故、とでも問いを向けられることがあったなら、守りたいものを守るために、と答えただろう。]
「あっ…そうだ。ご迷惑じゃなかったら、
近くの修練所を教えてくれませんか。
… 一応、弓と。 それに剣を使えるようになりたくて」
[戦になることを見据えての言葉ではない、が。
今にして思い返せば、ディーンとの関わりの中で。彼のことをひとつひとつ知ってゆく中で、自ずとその覚悟の基盤は出来つつあったのかもしれない。]