うん、そうする……
[席を立ち庭に向かおうとしたところで、妹が扉を開けて館に入ってくる。その顔は予想通り酷いもので、またも私の制止など聞こうともせずに館の奥に入っていってしまう]
落ち着かせたら戻って――
[追う前に声をかけようとフランツを振り返ると、彼は胸に手を当て、苦しそうにしている。そのときふと蘇るのは、昨晩の表情。
彼も、溜め込んでしまうタイプだ。今も、おそらく初めに"ソレ"を見つけたのは彼で。何の情報も無いまま見た彼は、きっと酷い衝撃を受けたのだろう。
それでも、私には妹を追えという]
ううん、あなたの方が酷い顔をしてる。落ち着くまでここにいるよ。
[その決断にはもしかすると、この状況で感情を抑えようとしない妹への不満も少し混じっていたのかもしれない。私だって、親にすらまだ会えていないのを我慢しているのに、なんで妹だけ。そんな感情が無かった、とは言えない]