― 舞踏場・近辺 ―……まあ、それだけと言えば、それだけとも言うのだけれどね。[誰に言うでなく、ぽつり、と独り言ちる。望みを叶えてくれたものだから、無為にされるのは面白くない。気まぐれな猫が『舞踏場』に対して抱く想いは、その程度]とはいえ、無粋な侵入者を見過ごすわけには……ねぇ。[言いつつ、見据える先に銀の繭へと向かう者たちが見えたなら。挨拶代わり、と言わんばかりに音色と衝撃波をひとつ、走らせる。**]