おやまあ、なんともかわいい子が落ちてるねぇ。
[のーてんき、とも言えそうな口調で言いつつ、ひょい、と拾い上げたのだった。
それも、びろーん、と吊り下げるような持ち方で]
だいぶ弱ってるようだけど、主、ウチに来るかい?
……まあ、ウチに来ないと、森に飲まれて消えるしかないんだけどねぇ。
[どう聞いても選択の余地のない問いかけをしつつ、びろーん、から両腕で抱える形に持ち直す。
そうやって構う間にに伝えるのは、癒しの力を帯びた風。
そのまま、採取は後回しにして、湖の社の奥にある屋敷へと連れて帰った、ら。
もう一人の眷属には、色々と突っ込まれた。
が、ほとんど受け流した。向こうも、突っ込みを受け流されるのはいつもの事、と思っているようで、そこから諍いやらになった事はあんまりないのだが。
その後、回復した子狐はそのまま神魔の眷属となり、領域の住人となり――今に、至る。**]