[この先の計画を簡潔に話す。
臨機応変がモットーのディークの作戦説明は基本的にシンプルだった。
いわく、前線からの引き上げを装って王国軍に紛れ込むこと。
炊事場や野戦病院など、もともと火の気や燃えるものの多そうなところへ散って火を放ち、後はそれぞれ川の北へと戻ること。
もう充分に稼いだと思ったり、魔軍はコリゴリだという者は、この機会に逃げるのもよかろう。
マーティンはヒトガタの治癒魔法に感心したらしく、「アイツと組めば最強じゃないか?」とか言っているから、まだ魔軍に留まるつもりらしい。
ディークもまた北へ戻るつもりだ。子供たちのことがある。]