[…そんなワケない。
ふっと過った嫌な考えを思考の隅に押し出せば、雪の上を歩いていく
きっと皆で集まって何かしようとしているんだと、努めて楽しそうな想像をしようとして
…けれど見つけてしまったのだ、新雪の上に大きな赤い赤い花が咲いているのを
彼が状況を察するのに時間はかからなかった
何故ならそうなる様にしてしまったのは自分なのだから
異様なその景色を前にして力の抜けた様に座り込む]
…だから…雪なんて降らなければ良かったんだ…。
[俯けば責任転嫁の様にぽつりとそう漏らして
自分の親代わりでもあったその2人に幸せになってほしいと、純粋にそう思った彼の想いは全く報われない方向へ進んでしまった様で]