― カレンにて ― [一匹、首輪のついた猫がてちてち歩く。混乱したり走り回ったりと騒々しい人々の合間を縫って。たかが一匹の猫を、誰も気にしたりしなかった。例えそれが騎士団の支部へと潜り込んでいる事も。] 『シンクレアきょうはいらっしゃいますかにゃ?』 [さてはて、当のシンクレア卿ご本人の目の前である。]