― 門前町・祭 ―
[妖精のぼやくような呟き>>68に、少年の周囲の風が笑うように揺れたのは風乙女の同意の笑み。
幻術を使った見世物やら、からくり仕掛けの遊びやら。
あちらこちらに首を突っ込んだり、出店で買い食いしたり、と、忙しなくあちらこちらを駆け回る]
あー、なんか、こういうの久しぶりー。
寮に入ってからは、近場で縁日とか全然なかったからなぁ。
[出店で買った林檎飴片手に、何気なくこんな事を口にして。
同時、ふと過ったもの──ずっと昔、両親と暮らしていた頃に行った夏祭りの縁日の光景を振り払うように、ふる、と首を横に振った、が。
ほんの一瞬だけ掠めた翳りは、多分、誤魔化しきれていない。*]