……ん。[ 滑らかな指が傷の下を擽る。こそばゆい。怒っている、拒絶されてもおかしくないと思っていた。戸惑いがちに見下ろして、それでも喉の氷は融けずに、首を振るばかり ][ 初めの動機は、ただ、本当に大事な人を喰らわれる事が嫌で、護りたかった、それだけだったのに。やがて手段に目を奪われ、自ら愛しい人を追いやった自分が情けなく、消え入りそうな心地で誘導されるままついていく ]