っ、
[その素早さに硬質化は間に合わず、脇腹から紅が僅かに散った。
後方へと抜けたロヴィンを逃がすまいと、小刻みな羽ばたきにより向きを変え、身体の回転と共に三日月斧を横に薙ぐ。
しかし届いたのは切先のみで、ロヴィンの腰辺りを浅く斬るに留まった。
ロヴィンからも詰まったような声が聞こえる]
…逃がすか、よ!
[武器の変更のために距離を取り始めたロヴィンを追い、彼の右側から弧を描くように旋回して接近を試み。
換装が完了した後にロヴィンの頭上から両手で握った三日月斧を真直ぐ振り下ろした。
同時、彼の換装した武器──棘付の金属棍が同じように振り下ろされ、鍔迫り合いの様相を呈した]