―1日目・PM5:30・第三訓練場―
いやー、充実した時間だったなー。
[午前中の座学とは異なり、討伐訓練は存分に楽しむことができた。思いっきり暴れた分、気分も昂ぶっている。そんな中で片付けのためか訓練場に残っている教官の姿を見掛けて、テンションはさらに上がってしまった。
何を隠そう、自分は無類の動物好きだ。家には犬もウサギも鳥もペットを多く飼っている。ただ、猫だけは両親があまり好んでおらず、今まで触れ合うことが一切許されなかった。写真や遠目で見るだけ。だから教官が猫の姿をしていると知ったときから、ずっと機会を窺っていたのだ。
触りたい。毛に顔を埋めてみたい。そんな欲求を抑えきれずにそろりと近付いていく]
教官、お疲れ様です。
あのー……無礼を承知でお願いがあるんですが。
ッ……触らせてください!!!
[発言だけ切り取ればかなりの変質者だ。そうじゃなくても教官相手に何を言っているのか。
先程の訓練ではそれなりに活躍したつもりだし、ご褒美として許してもらえないだろうかなんて、淡い期待を込めて懇願の視線を向けた]