[讃辞に託した想いを、ユベールは真摯に聞いてくれた。今度はボディランゲージで、と思ったところへ男女の二人連れがやってくる。眷属ではなそさうだが、その背には翼がある。もしかして、天使か精霊だったりするのだろうか、と様子を伺っていれば、兄は「アーヘンバッハ夫人」と呼びかけた。既婚者ならば天使の線は薄そうだ。かの夫人に対し、兄は敬語である。貴族然とした優美な振る舞いを、うっとりと見つめつつ、狩るなら男の方かと算段していた。それなりに鍛えていそうだし、美味しかろう。*]